コラム

自店の「立ち位置」が一目で分かる「FLAROレーダーチャート」機能の思想と仕組み

2026年05月28月

    飲食店経営における「健康診断」を目指して開発された、FLAROのレーダーチャート機能。売上・コストだけでなく、従業員満足度や顧客満足度までバランスよく評価する設計思想と、AI需要予測による「月中の気づき」が、現場の意思決定をどう変えるのか。プロダクト開発を率いる安部修平が語ります。

    なぜ「レーダーチャート」だったのか

    FLAROは2023年4月のリリースから、ちょうど3年を迎える。そのなかでも、リリース約半年後に追加されたレーダーチャート機能は、飲食店の経営者・店長が日々の意思決定を行う上での「中心的な画面」として機能してきた。

    開発の出発点にあったのは、「経営者・店長が、自分の立ち位置を瞬時に把握できる仕組みをつくる」という思想だった。

    健康診断と同じイメージなんです。健康アプリでもそうだと思うんですけど、どこが健康で、どこが悪いのか。どこが目標に達していて、どこが劣っているのかが、見た目で視覚的に分かる。店長さんが今の自分の状態を、すぐに把握できる場所をつくりたかったんです。

    ▲ 店舗ごとの実績/目標値/グループ平均を一画面で比較。レーダーチャート中央のスコアで、自店の総合的な健康度が分かる

    「6つのKPI」を、自社の戦略に合わせて選ぶ

    レーダーチャートに表示される指標は、FLARO側が固定で決めているわけではない。各社が自社の戦略に合わせて、6つの重要指標(KPI)を自由に選べる仕組みになっている。

    やっぱり各社、重視する項目は違うんです。我々が「これだ」と決めても、「いや、うちは今これを目指します」というのが必ずある。時代時代に合わせた、もしくはその会社の特徴に合わせた重要指数を選んでもらう。これが大事だと思っています。

    選択できるカテゴリは、「売上利益」「原価」「会計指標」「従業員指標」「広告媒体」「GBP指標(Googleビジネスプロフィール)」の6つ。ここから6つの指標を選び、優先順位を決め、プレビューで確認したうえで運用を開始する。

    ▲ レーダーチャートカスタム設定画面。6つのカテゴリから自社の戦略に合った指標を選択できる

    「ビリは嫌だよね」店長のモチベーションを動かす設計

    レーダーチャートには、もう一つの仕掛けがある。同じグループ会社内で、自店が何位にランクインしているかが分かる「FLAROランク」だ。これは安部が、長年飲食業界に身を置きながら感じてきた「現場の心理」に根ざしている。

    店長さんって、結構負けず嫌いの方が多いんです。これは私が、長年飲食業界の中でずっと感じてきたことなんですけれども。まず、ビリだったら嫌じゃないですか。とにかく「1位を目指してほしい」と。そうすると、じゃあ自分は何をすればいいんだっけ?って、まず気づきが生まれるんですよね。

    ▲ スコアが低い店舗は赤色で表示される。「健康ではない状態」が一目で分かることで、改善行動への気づきが促される

    売上・コストだけを追わない。CSもESも、バランスよく評価する

    選べるKPIの幅広さには、FLAROのもう一つのこだわりが反映されている。それは「売上とコストだけを追う運営にはしてほしくない」という思想だ。

    例えばこれ全部、売上の対前年比とか、原価もFL、AR、コストにしちゃうと──売上引くコストが利益なので、利益を上げるためには売上を上げるか、コストを下げるしかない。でも、そこだけを追うというよりは、従業員満足度や顧客満足度も加味した、バランスの良いスコアを作ってほしい。そういう思いで、こうしたカテゴリ分けにしているんです。

    今後はさらに、CS(顧客満足度)の細分化を進めたいと安部は語る。現状はGoogleスコアや食べログスコアといった外部の口コミデータが中心だが、予約台帳ベンダーやアンケートツールとの連携を進めることで、お客さまの声をより多角的に取り込んでいく構想だ。

    お客さまの声を、毎日チェックしなくていい仕組みに

    レーダーチャート画面の下部には、Googleと食べログの口コミが連携表示される。新着順・良い順・悪い順で並び替えができ、特に悪い口コミに紳摯に向き合えるよう設計されている。

    今、口コミのお客さまの情報って、本当に大事なんです。お客さんが何を思っていて、どこが評価されているのか。ただ、現場は日々の業務が忙しくて、自店のGoogle口コミを毎日確認するのはなかなか難しい。だからFLAROを見れば、口コミのデータが分かる。そういう状態にしたかったんです。

    現状は表示と並び替えに留まるが、今後はFLARO上から直接口コミに返信できる機能のリリースも予定されているという。

    「このまま行くと、やばい」をAIが教えてくれる

    レーダーチャートと並ぶ目玉機能が、AIによる需要予測だ。「このまま今月を終えたら、予算は達成できるのか」という問いに、AIが日々の進捗から着地見込みを算出する。

    ▲ AI需要予測画面。月中時点での着地見込み達成率と、AI予測売上高/予算の差分を可視化

    例えば月の23日時点で、AIが算出する着地見込み達成率が97.44%だった場合。残り1週間で2.6%足りない、という事実をその時点で把握できる。「あと2.6%売上を伸ばすために何をすればいいか」を考える時間が生まれるかどうかが、月末の数字を大きく左右する。

    月中に「このまま行くとやばいよね」と知るか、知らないか。これだけで利益率が、軽く2〜5%変わるんです。実際にあるお客さまが、FLAROへの切り替えタイミングで、日々の決算管理を1ヶ月だけ止めたんですね。「数字って本当に大事なの?」というのを検証する目的で。そうしたら、利益率が大幅に悪くなった。やっぱり毎日数字を見て、昨日までどうだったのか、このまま行くとどうなるのかを知ることって、本当に大事なんだなと、改めて思いました。

    確定数値が出るのは月末締め後の翌月15日〜20日。その時点で前月の反省会を開いても、現場はもう次月の半ば。梅雨の対策も、年末商戦の準備も、すでに手遅れになりかねない。だからこそ「月中に気づける」AI需要予測は、現場の意思決定スピードそのものを変える機能だと、安部は強調する。

    「自店の立ち位置」を起点に、行動が変わる

    FLAROのレーダーチャート機能は、単なるデータの可視化ツールではない。「自分の立ち位置を知る」という気づきを起点に、店長の行動を変え、月末の数字を変える。そのための導線が、画面の隅々に設計されている。

    レーダーチャートは、店舗の総合的な健康診断です。売上だけ、コストだけじゃなくて、店舗の効率化、従業員満足度、顧客満足度。これらをバランスよく見て、自店の状態を把握する。その上で、AI需要予測で「このまま行ったらどうなるか」を確認して、月中に手を打てる状態を作る。これがFLAROで実現したかったことなんです。

    SPEC  機能サマリー

    項目

    内容

    機能名

    レーダーチャート/AI需要予測

    対象画面

    BI > データ分析

    KPI選択数

    6つ(24〜26項目から選択)

    カテゴリ

    売上利益/原価/会計指標/従業員指標/広告媒体/GBP指標

    連携データ

    Google口コミ/食べログ口コミ

    AI予測

    月次の着地見込み(実績ベース)

    比較対象

    実績/目標値/グループ平均/FLAROランク

     

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